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イベント

『この町、シネマ。』へのご来場ありがとうございました!

12月3日(金)~5日(日)、『この町、シネマ。』プロジェクト第一弾として、秋田市文化創造館とアウトクロップ・シネマでの上映会を開催しました。

『この町シネマ。』プロジェクトは、まちかどのあらゆるスポットで、映画を上映していくプロジェクトです。第一弾の今回は、『沼山からの贈りもの』を始めとする全5作品を秋田市文化創造館とアウトクロップ・シネマにて上映しました。

ただ作品を観るだけでなく、作品にちなんだお料理や音楽のライブパフォーマンス、映画監督のトークショーなど、より作品を深く味わっていただけるような企画を行いました。

ここからは、実際のイベントの様子を少しご紹介します。

『沼山からの贈りもの』お料理付き上映会
秋田の伝統野菜で、いぶりがっこの元祖になったとも言われている沼山大根。アウトクロップシネマでは、この幻の大根の復活を記録したドキュメンタリー映画『沼山からの贈りもの』を毎年、大根が採れる時期に合わせて上映をしています。これまでも料理付きの上映を通じて、大根にまつわるストーリーを伝えてきました。

今年沼山大根の生産現場では、お盆の時期に度重なり降った豪雨の影響で、蒔いた種が流れてしまうという事態がありました。今回のイベントでは、そんな中 T-Farmの田口康平さんが必死に育てた沼山大根を、シネマ・シェフの松尾遼がニョッキに変え、食後には参加者それぞれが大根を取り巻く環境に想いを馳せました。

『UTURU』上映&ライブパフォーマンス
あなたは樹氷が擦れ合う音を聞いたことがありますか?『UTURU』は、音楽家の松本さんが8年間かけて制作した音源を完成させるための旅に密着したドキュメンタリーです。自然の中でたった一人、録音と演奏を重ねる松本さんに、友人の今野裕一郎監督が同行しました。人間の作為がなくとも、自然の美しさに感動できるということがメッセージとして伝わったのではないかと思います。

上映の後には、静まり返った空間にある音とコラボレーションして即興で音で作った音をお聞かせいただきました。

『ビッグ・リトル・ファーム』お料理付き上映会
家畜が自由に走り回り、生物多様性が守られ、全てが循環するような農園があったら、それはどんなところだろう。そんな夢のような”究極の農場”ができるまでの物語をドキュメントした作品「ビッグ・リトル・ファーム」。

通常であれば害獣駆除してしまう天敵さえも、映画の登場人物たちはいかにして共存共栄できるかを模索していきます。そんな彼らの姿を見ていると、「理想の農業」が何かを考えざるを得なくなります。 映画上映後には、秋田県にかほ市で、黒毛和牛を放牧する繁殖農家、渡邊強さんをお迎えして、「上の山放牧場」で育った黒毛和牛と、その堆肥で育った有機野菜のお料理をいただきました。「理想の農業」を目指して活躍する地元農家の想いを知ることで、作品の理解が深まり、さらに「食」のありがたみが増すような、そんな食事付き上映イベントでした。

『荒野に希望の灯をともす』監督トークショー付き上映会
約30年の月日を超えて、医師としてアフガニスタン・パキスタンに足を運ばれた中村哲先生。頭上には戦場ヘリコプターが旋回し、足元では干ばつが飢餓が広がる中、白衣を脱いで自ら水路建設に励んだ姿を追ったドキュメンタリー。そんな中村哲先生が凶弾に倒れてから2年目の御命日に行った上映イベントでした。

25年間にわたり中村哲医師に密着し、作品を撮影・監督された谷津賢二さんに直接お越しいただき、お話をお伺いしました。「制作の裏話」や、「カメラに映らなかった・映さなかった中村先生」のお話の他、「秋田で生きる私たちが中島先生に触れることの意義」についてお話しいただきました。 イベント後には、中村哲先生を支援するために生まれた国際NGO「ペシャワール会」への寄付も集め、合計 35,437円 のカンパが集まりました。

『おいしいコーヒーの真実』
ついつい朝飲んでしまうコーヒー。私たちがコーヒーを買う際、その売上の約1割程度しかコーヒー農家に支払われないことを知っていましたか?そんな現状と、コーヒーの裏側に広がる貧困世界に光を当てたドキュメンタリーが、「おいしいコーヒーの真実」でした。

当上映では、エチオピアのコーヒー農家から直接コーヒー豆を買い付け、秋田で焙煎・販売を行う「さとやまコーヒー」さんとコラボをして、自分のコーヒー体験を見つめ直す機会を目指しました。 映画を通じてコーヒー豆生産についての理解を深め、上映後には作中の難解なコンセプトや市場の仕組みを紐解きながら、エチオピアのコーヒー生産地域のお話を聞き、実際にお話に出てくるコーヒー豆を味わう、そんな会でした。

「この町、シネマ。」クランクイン座談会
あなたにとって「この町」はどんな存在でしょうか?「シネマ」とは、どんな場所でしょうか?そんな問いを軸に、この町にとってシネマがもっと身近だったらどんな場所なのか、また、その理想の形について考えを整理するワークショップ座談会を行いました。

かつては県民平均月1回映画館へ足を運んでいた時代がありましたが、今では「一人で」「家」で映画を見ることが当たり前になったことに対して話が膨らみました。

3日間ご来場いただいたお客様と今回のイベントに携わっていただいた全ての方に、心より感謝申しあげます。本当にありがとうございました。

「この町、シネマ。」プロジェクトはまだ始まったばかりです。アウトクロップ・シネマだけでなく、映画を通した感動や発見の場を、「この町」秋田でつくっていきたいと考えております。また機会がありましたら、お越しいただけると幸いです。

なお株式会社アウトクロップは、12月29日(木)〜1月3日(火)は年末年始休業とさせていただきます。1月4日より通常営業いたしますので、よろしくお願いいたします。

皆さまどうぞ良いお年をお迎えください。

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